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アメフトを勉強しよう〜エア・コリエル〜

 こんにちは。将来の夢はサイボーグになること。30手前になって将来の夢ってのもアホみたいな話ですが、マジメに憧れています。特に歯をサイボーグにしたい。ダイヤモンド製で食べ物の栄養素とカロリーを自動判定してくれる歯が欲しい。歯にアプリ入れて、目覚まし機能とか付けれれば最高。起きる時間に歯が震えるから嫌でも起きる。アプリの管理はアレクサとかi Phoneでできればなお良し。あとは目。カメラ機能付きの目が欲しい。撮影した画像とか動画をクラウドで保存してくれる義眼が良いな。夜の撮影は歯のアプリでフラッシュ機能入れとけばOK。ダイヤモンドの歯からフラッシュ、目のカメラで撮影。未来感あるー!もし発売されたら何百万円でも買います。

 

 サイコな話はこのくらいにして、以前に引き続きお勉強です。今回はエア・コリエルについて。ウエストコーストオフェンスと対照的なオフェンスで、大味なフットボールが魅力です。前回と同様にどんなプレイコールなのか、そしてどんな歴史があるのか見ていきましょう。

 

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”またしくじったなスタースクリーム

レイコールシステム

 ウエストコーストやアーハート・パーキンス同様、エア・コリエルも独自のプレイコールシステムがあります。どんなものかチェックしましょう。

 

“525 F Post”

 まだわかりませんね?まず、エア・コリエルのプレイを知るためにはルートツリーを知らなければなりません。ルートツリーについてはわたしの過去の記事でも紹介しています。

www.american-football-club.com

 エア・コリエルではルートに番号が振ってあります。

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 Outsideは外のレシーバー、XやZが走るルートです。InsideはTEやスロットレシーバーが走るルートです。これを見れば勘の鋭い方はさっきのプレイが分かるのではないでしょうか。

 

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525 F Post

 これが525 F Postです。525というのはX、Y、Zのパスルートです。XとZは上のルートツリーの5のルート、Comebackを、Yは20の6から8ヤードのShallow Crossを走ります。 XYZ以外も走る場合は後ろに付け足すのでF Postが入ります。

 これは元カウボーイズのトロイ・エイクマン(Troy Aikman)お気に入りのプレイです。当時のOCはノーブ・ターナー(Norv Turner)でした。エア・コリエル直系のコーチで彼の率いるチームは縦に伸びるパスが主流です。そして、強力なRBも欠かせません。

 ウエストコーストだろうがコリエルオフェンスだろうがチームによって同じプレイでも呼び名は違います。それを表す動画がこれです。

www.youtube.com

 W MissileとかZebra Quick Seamとか色々ありますね。

 

プレイスタイル

 ウエストコーストとエア・コリエルは比較対象になることが多いです。ウエストコーストの特徴は下記のとおり。

  • アンダーニースのクロスルートや短いパス
  • パス成功率が高い
  • ランはゾーンがメイン

 それに対してエア・コリエルは真逆です。

  • 縦に走り込む長いパス
  • パス成功率はウエストコーストより低い
  • パワーランニングゲーム

 大雑把に言うとこのように真反対のオフェンスです。ウエストコーストは短いタイミングの早いパスなので、成功率が高くなるのはわかると思います。逆に長いパスを使うエア・コリエルは成功率が低くなる代わりに1発の獲得ヤードは大きくなります。

 ランニングゲームの考え方も真反対です。ウエストコーストがゾーンを中心にプレイするのはディフェンスを横に広げるためです。ほかにもジェットスイープなど早いタイミングでオープンを駆け抜けるランを使います。一方、エア・コリエルは真ん中をブチ抜くアイソやパワー、カウンターなどアサインメントブロックのムキムキなプレイが中心です。縦に長いパスを通すためにはディフェンスを前に上げる必要があります。そのためにはハードなランプレイが欠かせません。パスが通るとディフェンスは後ろに下がる、そうなると今度はランを使う、これがディフェンスを縦に広げるということです。

 エア・コリエルはハイリスクハイリターンなオフェンスです。そして、チームのタレント力が問われるオフェンスでもあります。長いパスを取れるスピードとフィジカルがあるレシーバー、真ん中を走ってもコンスタントにゲインできるパワフルでシフティなRB、ランパスともにブロッキングに優れたOL、ドンピシャのタイミングで奥に投げ込める強肩QBと贅沢なメンツが必要です。ウエストコーストの始祖ビル・ウォルシュ(BIll Walsh)もそのように話していました。そして、ウエストコーストのことを「タレント不足を補うための戦術」だと話しています。たしかに肩を負傷したQBのために開発した戦術なので、そのとおりです。逆に言えば、エア・コリエルは少しでもダメなヤツがいると機能しなくなる危ういオフェンスでもあります。

 

エア・コリエルの歴史

 エア・コリエルは元々ウエストコーストと呼ばれていたのは前回書きました。つまり、発祥は西海岸、サンディエゴです。1978年から86年までドン・コリエル(Don Coryell)HC率いるチャージャースはこの間、リーグのパッシングリーダーに6回なっています。

 QBダン・ファウツ(Dan Fouts)らによる爆発的なオフェンスはNFLのパッシングゲームをまったく新しいものに変えました。それまで、重厚なランニングゲームを中心としていたNFLのオフェンスにロングボムが加わったことでNFLはパスを中心としたオフェンスに変わることになります。ドン・コリエルはまさにゲームチェンジャーです。フットボールというスポーツを根底から覆しました。

 現代フットボールの幕開けはこのエア・コリエルからであり、歴史の古いウエストコーストよりもNFLに与えた影響は大きいです。3人のWRを起用するようになったのもコリエルからで、TEがレシーバーとして活躍し、高給取りのポジションになったのもコリエルオフェンスで活躍したケレン・ウィンズロー(Kellen Winslow)がいたからです。モダンフットボールのパッシングゲームでエア・コリエルの影響を受けていないチームはこの世に存在しません。ウエストコーストオフェンスですら長いパスを使うこともあり、それはエア・コリエルの影響です。そして近年、エア・コリエルの代表格と言えばノーブ・ターナーです。10年ほど前、フィリップ・リバース(Philip Rivers)とラデニアン・トムリンソン(LaDanian Tomlinson)、アントニオ・ゲイツ(Antonio Gates)、ビンセント・ジャクソン(Vincent Jackson)らによるパワーフットボールは全米屈指のハイパーオフェンスでした。

 

www.youtube.com

 なんでこの曲やねん。と思いましたが、AerosmithのDream Onとともにチャージャースのハイライトをどうぞ。

まとめ

 エア・コリエル、調べれば調べるほど衝撃的なオフェンスです。当時のNFLでは革命的な進歩だったはずです。どんなチームのどんなオフェンスでもエア・コリエルを意識したプレイがあり、その影響はウエストコーストよりも大きなものです。いま、われわれがダイナミックなフットボールを観れるのもドン・コリエルのおかげです。