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NFLとNCAA footballについてあれこれ

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2019-20年シーズン NFLチームの戦術を予想してみよう〜AFC東地区〜

 こんにちは。ブログクソサボりマンです。更新滞ってすみませんでした。「更新を止めちゃいけない」と思いつつも死ぬほど仕事が忙しいのです。最近はジムに行く暇も無いほど仕事に追われています。日帰り出張や長距離移動が多く、会社に戻っても残業祭りといった具合です。わたしは新幹線でもモニターを見続けると吐き気を催すので、移動中も作業できなかったとすでに大盛りの言い訳に言い訳のタルタルソースもかけときます。仕事では言い訳をしないくせにブログでは言い訳だらけ。とはいえ、これで次の給料は残業代がたんまり入るので良しとします。いや、ブログはあかん。気がついたらトレーニングキャンプも始まり、プレシーズンも目前に迫っています。どうせしばらくジムに行けないので、残りの戦術も急ぎ掲載しようと思います。

 

 さて、今回はAFC東地区。ペイトリオッツ以外はキャッチアップオフェンスが多く、あまりまともな戦術が見られる機会がありません。それでも最低限、基本はどのような戦術で来るのか予想してみましょう。

 

ニューイングランド・ペイトリオッツ

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カットオフの重ね着

オフェンス

 ジョシュ・マクダニエルズ(Josh McDaniels)OCは一時、ブロンコスなどに出かけたものの、ほとんどの期間をペイトリオッツで過ごしてきました。ペイトリオッツのオフェンスを象徴するプレイとして"Hoss Y Juke"というプレイがあります。

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Hoss Y Juke

 アサインメントでいうとこんな感じで、エンプティフォーメーションの時に使います。Yがキーマンです。ロブ・グロンコウスキー(Rob Gronkowski)のようなLBをYの位置にセットさせ、LBのミスマッチを誘います。時には動画のようにジュリアン・エデルマン(Julian Edelman)を始め、スロットレシーバーに任せます。こうすればどこかが必ずミスマッチとなり、トム・ブレイディ(Tom Brady)ほどのQBであればミスマッチを見逃すことはありません。ゾーンカバーだろうが、マンカバーだろうが、アンダーニースは簡単にカバーを振り切ることが可能です。それと、ペイトリオッツはFBを起用する数少ないチームだと言いました。I-フォーメーションからのランも使いますが、キャリアーにはWRを使ったりします。アサインメントもよく練られており、パーソネルにも小さなこだわりが見て取れるペイトリオッツらしい戦術です。

ディフェンス

 DCは誰でしょう?グレッグ・シアーノ(Greg Schiano)で間違いないのでしょうか?ペイトリオッツ公式サイトにはDCは空席です。判然としないので、昨年のディフェンスから見ていきましょう。

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 公式チャンネルから拝借。ペイトリオッツというのはその時、相手、シチュエーションでベストなパーソネルで勝負します。メインは昔から3-4ですが、4-3ベースの体系も使ったりとほかのチームのように固まった戦術というのはありません。3-4ベースの人員を揃えながら4-3のディフェンスもしないといけないため、求められる能力は高くなります。昨シーズンのスーパーボウルを見てみると、1番凝ったことしているのはディフェンシブフロントです。パスシチュエーションになると一体誰がラッシュするのかわかりません。フロントに何人も集まっています。4メンラッシュでも誰が来るのか予測できないセットになっています。昔パッカーズのDCだったドム・ケイパース(Dom Capers)が使っていたサイコパッケージに似ています。フロントに7、8人がスタンディングでセットし、そのうち何人がラッシュするか分からないというパッケージです。今回のスーパーボウルでも見事ディスガイズに成功し、ラムズを3点に抑え込んだというわけです。

 

ニューヨーク・ジェッツ

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顔芸で彼の右に出る者はおらず

オフェンス

 ことしからHCは前ドルフィンズHCのアダム・ゲイズ(Adam Gase)となります。ゲイズはさまざまなチームでOCを務めた経験があり、ひとつの戦術に捉われない豊富なフィロソフィーを持っています。QBフレンドリーでそのQBが得意とする戦術を選択できることから起用されたのでしょう。実際にはウエストコーストのパスとゾーンのオプション、ラン、スクリーンが多くなると思います。サム・ダーノルド(Sam Darnold)がそれらを苦手とするならエア・コリエルも選択肢のひとつです。

ディフェンス

 コーチ陣は刷新され、ディフェンスも新任のDCグレッグ・ウィリアムス(Greg Williams)が担当します。彼は昨シーズンまでブラウンズのDCと暫定HCを任されていました。ベースは4-3です。これはここ10年ほど3-4で戦ってきたジェッツにとって大きな変化です。果たして選手は対応できるのでしょうか?特にLBにはスピードが求められます。せっかく4-3のDCを連れてきたのにダロン・リー(Darron Lee)をなぜ放出したのか?彼は4-3向きの選手です。それはさておき、ウィリアムスはかなり古典的な4-3を基本にヘビーなブリッツをしかけるのが好きです。また、FSをひとりディープにセットさせるシングルハイからのカバー3が得意技です。この時にゾーンブリッツを入れるなどしてディスガイズを狙います。

 

バッファロー・ビルズ

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噴き出す一歩手前パート2

オフェンス

 ブライアン・ダボール(Brian Daboll)OCが昨年に引き続き、プレイコールします。ダボールは長いことペイトリオッツにいました。そして、2017年はアラバマに転勤。ビル・ベリチック(Bill Belichick)とニック・セイバン(Nick Saban)は非常に仲良しで有名です。考え方も似ています。ペイトリオッツからアラバマへの転勤は役所の人事交流みたいなもんです。そんな2人に師事したダボールはペイトリオッツ的なオフェンスが主流です。アーハート・パーキンスオフェンス(E-P Offense)を武器に戦います。ビルズは11パーソネルを使うことが多く、必然的にスプレッドオフェンスとなります。

※パーソネルとはオフェンスのパッケージです。OLとQBを除いたスキルポジションの人数を表します。11パーソネルならRBとTEが1人ずつ、WRは3人。10の位がRB、1の位がTEの人数です。12パーソネルならRB1人、TE2人、WR2人というような具合。

ディフェンス

 HCショーン・マクダーモット(Sean McDermott)がディフェンスを担当します。DCはレスリーフレイジャー(Leslie Frazier)ですが、2人とも4-3を基本とする思想は同じです。マクダーモットはジョン・フォックス(John Fox)とロン・リベラ(Ron Rivera)に師事、フレイジャーは元バイキングスのHCです。どちらも4-3を武器に強力なディフェンスを築き上げました。マクダーモットの昨シーズンを見るとSの使い方にバリエーションがあります。スカイローテーションやバズなどカバー2ルックからSを1人アンダーニースに上げる戦法を使います。要するにパスカバーのディスガイズ。

※スカイローテーション: S2人の2ディープに見せかけて、プレイが始まる直前にどちらかのSがフラットゾーンに上がってくるLBはSが入らない方にカバーのゾーンをずらす。実質4-4カバー3になる。下の動画では4-3 Underになるが、動き方は実質同じ。

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※バズ: プレスナップの体型は同じくカバー2ルック。どちらかのSがカールやフックゾーンに上がり、LBは外に広がってカバー。

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マイアミ・ドルフィンズ

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「師匠、俺は必ずあなたを超える」

オフェンス

 OCはジム・コールドウェル(Jim Caldwell)ですが、なんや体調不良でチームを離れるそうです。新たなHCブライアン・フローレス(Brian Flores)が連れてきたペイトリオッツ流派のコーチとともにペイトリオッツ流のオフェンスになるのでは?つまりアーハート・パーキンスオフェンスでしょう。結局ペイトリオッツペイトリオッツのオフェンスは先に説明したとおりですが、21パーソネルや22パーソネルを使った複雑なオフェンスに選手が対応できるのかが課題。プレイコールはシンプルでも個々の役割は難しい。そもそも戦術がどうこうよりも先発QBがすべてです。E-Pオフェンスを遂行できるQBがいなければ、ずっとキャッチアップオフェンスで戦術もクソもありません。いまのところジョシュ・ローゼン(Josh Rosen)が有力との情報もありますが、どうなんでしょう?

ディフェンス

 新HCブライアン・フローレスはディフェンス畑です。それもペイトリオッツで10年以上コーチを務めた経験があります。というわけで、4-3とか3-4の議論は無意味です。ハイブリッドディフェンスで選手たちには汎用性が求められます。その能力が1番問われるのはフロント7です。ドルフィンズのメンツではとても両方こなせるような実力があるとは思えません。しかし、能力不足は戦術でカバーできます。そして、ペイトリオッツフローレスは強いディフェンスをつくりあげた実績があります。SSもボックスに上がってLBができるフィジカルが必要です。3-3-5や4-2-5のニッケルハイブリッドディフェンスを実行できるかどうかが見ものです。

 

まとめ

 ペイトリオッツ流派から独立したコーチがいっぱい。「ペイトリオッツでの成功体験をもう一度」とどのコーチも血がたぎる気持ちでしょう。しかし、それはベリチックやブレイディ、そのほか優秀な組織という土台があったからという前提の下、実現したものです。ミシュラン3つ星のレストランで修行したからといって、経営のセンスがなければ独立失敗するのと同じように、HCとしてリーダーシップが無ければチームは成長しません。今後数年間は様子見が必要なチームが多いのがこの地区です。