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NFLとNCAA footballについてあれこれ

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2019-20年シーズン NFLチームの戦術を予想してみよう〜NFC東地区〜

 こんにちは。人間の身体ってかなり歪んでるなって最近実感します。筋トレしてても左右で強い弱いの差があり、なんとか差を埋めようと努力しても長年歪んだまま使ってきた身体をキッチリ戻そうと思ってもなかなか難しいもんです。特に歪んでると実感するのはウォシュレットの時です。ドンピシャのとこに当たらないので、お尻を動かして調整しなければなりません。たまに一発でドンピシャのとこに当たるとちょっとした幸せを感じます。

 

 汚い話で失礼しました。さて、前回から始まった各チームの戦術予想、今回はNFC東地区です。人気の地区ではありますが、過去はディフェンシブマインドなコーチが多かったように記憶しています。ことしはどうなるのか見ていきましょう。

 

ダラス・カウボーイズ

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アメリカの日差しによって猛烈な乾燥肌

オフェンス

 OCはスコット・リネハン(Scott Linehan)とはオサラバし、新任のケレン・ムーア(Kellen Moore)が引き継ぎます。彼はQBコーチから内部昇格なので、いままでとあまり変わりません。そしてこれまでも、これからもカウボーイズはエア・コリエルでオフェンスを進めます。それゆえ、エゼキエル・エリオット(Ezekiel Elliott)のラン、アマリ・クーパー(Amari Cooper)とアレン・ハーンズ(Allen Hurns)、テイボン・オースティン(Tavon Austin)のパスでフィールドを縦に広げてディフェンスに揺さぶりをかけます。優秀なOLがランではホールをこじ開け、パスではプロテクションで時間を稼ぐ必要があります。

 

※エア・コリエルとはドン・コリエル(Don Coryel)が編み出した戦術。現代フットボールの基本オフェンス戦術3つのうちのひとつ。ロングパスとランでフィールドを縦に引き伸ばす。

ディフェンス

 2013年からチームに所属するロッド・マリネリ(Rod Marinelli)DCは70歳近い大ベテランです。彼はタンパ2で有名なモンテ・キフィン(Monte Kiffin)に師事したことで知られています。しかし、DCに昇格した2014年からはタンパ2をあまり使っていません。どちらかというとマンカバーを多用しています。それに加えて、カバー1やカバー3を使います。パス全盛の時代にカバー2ベースのディフェンスではディープが弱すぎるのでしょう。体型は4-3が大元ですが、最近は4-2-5のニッケルが基本です。これは大体のチームでも同じ。彼はDLコーチも兼任しており、優秀なパスラッシャーを多数輩出しています。

 

※タンパ2は、カバー2の弱点である真ん中のディープゾーンをMLBがカバーするシステム。90年代末期から2000年代初頭にかけて当時バッカニアーズのHCだったトニー・ダンジー(Tony Dungy)とDCモンテ・キフィンが使ったことからタンパの名前がついた。

 

フィラデルフィア・イーグルス

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これお前の彼女ちゃうん?

オフェンス

 HCダグ・ピーダーソン(Doug Perderson)という男は非常に読みづらい戦術を使います。過去、アンディ・リードに仕えていたのでウェストコーストオフェンスの要素もありながら、チップ・ケリー(Chip Kelly)のカレッジスタイルのメッシュオフェンスも使います。それでいて流行りのランパスオプションも組み込むというここ10年のトレンドをすべて詰め込んだような男です。プロでありながら若者風なオフェンスで、2シーズン前のスーパーボウルペイトリオッツを、そして昨シーズンのプレイオフでベアーズを破ったようにいまのイーグルスはこのハイパーモダンオフェンスが馬車馬のように働いてこそ勝てるチームです。

ディフェンス

 DCは継続してジム・シュワルツ(Jim Schwartz)です。つまり、戦術はあまり変わりません。シュワルツはイーグルスのDCに就任するまでライオンズのHCでした。ということは、DLに重きを置いているということです。フレッチャー・コックス(Fletcher Cox)やマイケル・ベネット(Michael Bennett)という強力なパスラッシャーたちはライオンズ時代のダムコン・スー(Ndamkong Suh)やウィリー・ヤング(Willie Young)を彷彿とさせます。さらにことしはデレク・バーネット(Derek Barnett)に期待がかかります。過去ライオンズのHCだったということは体型も4-3ベースです。シュワルツはシスマティックでシンプルな戦術を好みます。要するに選手があまり考えすぎなくていいディフェンスです。シンプルということはタレントが多く求められます。先ほども述べたようにその最たるものがDLです。DLさえ強ければある程度ディフェンスは締まります。そして、圧倒的なSがいるのもライオンズとの共通点。ライオンズではグローバー・クイン(Glover Quinn)、イーグルスではマルコム・ジェンキンス(Malcom Jenkins)です。

 

ワシントン・レッドスキンズ

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爆笑する一歩手前の顔

オフェンス

 HCジェイ・グルーデン(Jay Gruden)、グルーデン?そうグルーデン。兄貴であり、レイダースのHCでもあるジョン・グルーデン(Jon Gruden)の弟です。そして、グルーデン弟はグルーデン兄の部下でもありました。ということで、兄貴の影響を強く受けています。兄貴がウェストコーストなので弟もウェストコーストが基本です。スクリーンやアングルなどの短いパスをランの代わりに使い、ちまちま進みます。デショーン・ジャクソン(DeSean Jackson)がいた頃から縦のパスも使っており、ジョシュ・ドクトソン(Josh Doctson)には縦のルートで勝てる実力が必要です。しかし、このチームのリーディングレシーバーはTEジョーダン・リード(Jordan Reed)であり、ことしも彼へのショートからミドルレンジのパスが多くなると予想します。

 

ディフェンス

 ディフェンスの担当はグレッグ・マヌスキー(Greg Manusky)です。彼は3-4ディフェンスをルーツに持つコーチですが、昨シーズンは3-4と4-3を混ぜこぜにしていた印象があります。ちなみに、彼はいままで49ersやコルツでDCを務めた一方、成功した試しはありません。問題は元々LBコーチの割にLBが強くないことです。レッドスキンズはメンツ的に4-3向きの選手が多く、いまいちコーチのフィロソフィーと合っていない気がします。と言っても現状の戦力でなんとかするしかありません。幸いDLとエッジはNFL屈指のメンツが揃っています。個人的には3-4の割合を増やすと思います。ライアン・ケリガン(Ryan Kerigan)は3-4向きのベテランです。彼を軸にフロントのアラインメントを調整すればなんとかなると思います。

 

ニューヨーク・ジャイアンツ

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負け試合の後はやる気ゼロ

オフェンス

 パット・シャーマー(Pat Shurmur)HCはアンディ・リード(Andy Reid)に師事したようにウェストコーストが基礎理念としてあります。ほかにもチップ・ケリーのテンポテンポテンポスタイルやノーブ・ターナー(Norv Turner)のバーティカルなオフェンスにも慣れ親しんでいます。縦に横に、左から右へ、右から左へのクロスルートなどパスは多彩な組み合わせが予想されます。しかし、このチームのオフェンスはセイクオン・バークリー(Saquon Barkley)によるランゲームです。パスなんてバークリーのお膳立てにすぎません。そしてパスでもウェストコーストスタイルのスクリーンやスイングでバークリーにボールを与えます。結局、バークリーがぶっ壊れるまで走ってもらうしかないのです。昔のティキ・バーバー(Tiki Barber)みたいにならないことを祈るばかり。

ディフェンス

 ジェームズ・ベッチャー(James Betcher)DCはとにかくブリッツおじさんです。なにかあればブリッツ、困ったらブリッツ。DLだけでポケットを圧縮させることを美学とした昔のジャイアンツと違い、パスラッシャーの数で勝負します。そして彼はブルース・エアリアンズ(Bruce Arians)にゾッコンでした。彼がエアリアンズの下でカーディナルスのDCだったころを思い出せば、DBの数が非常に多かったことが印象的でした。大体常に6人くらいのDBがフィールドにいました。ニッケルは当たり前、ダイムもよく使う、LBなんか要らんかったんやと言わんばかり。それとDBもガンガンブリッツに入れます。ワイド9からニッケルファイアなんか入れたらOTは追いつきません。そう考えると、ことし手に入れたジャブリール・ペパーズ(Jabril Peppers)なんか彼にとって最高のオモチャとなるかもしれません。ペパーズはミシガン大学時代、SとLB、NB、RB、WR、リターナーとバーサタイルな選手でした。オフェンスがバークリーなら、ディフェンスはペパーズが中央省庁の官僚なみにこき使われるはずです。

 

まとめ

 途中で説明した現代フットボールの3大オフェンス戦術とはエア・コリエルのほか、ウェストコーストとアーハート・パーキンス(Erhardt-Parkins)というものがあります。実は元々これらはプレイコールのシステムとしての呼び名だったのですが、エア・コリエルとウェストコーストはプレイスタイルとして認識されています。先ほど述べたとおり、エア・コリエルはフィールドを縦に、ウェストコーストはフィールドを横に広げるスタイルだと思ってもらって構いません。しかし、アーハート・パーキンスは元々の意味のプレイコールシステムとしての呼び名です。NFLのチームはほとんどのアサインメントが同じものを使っており、若干の違いと選択するプレイの偏りでエア・コリエルやウェストコーストに分けられます。アーハート・パーキンスというのは平たく言えばメンツとフォーメーション、プロテクション方法、QBのアラインメント、プレイをできるだけ短くまとめようという考え方です。実際にはすごく難しいのでわたしにも分かりません。ペイトリオッツは代々このシステムを使っており、長期的に強豪チームとして君臨するチームはこのシステムを使うと言われています。

 あっ、そうそう忘れてた。スペシャルチームはどうなんだ?と思う方もいるでしょう。でも特に言及しません。NFLだろうが日本のフットボールだろうがキックゲームのアサインメントなんて数パターンしかなく、それに実にシンプルです。とにかく気合い。それだけ。以前、テレビでNFLを見てた時に解説が言っていたことで「NFLのコーチもキッキングは9割が気合いで決まると言っている」との話を聞いたことがあります。根性論や精神論は嫌いなわたしですが、これには同意せざるを得ません。だって全速力でヒットするだけやもん。ビビったら終わり。ということでスペシャルチームにおいて戦術なんてものは皆無に等しいのです。ギャンブルとかもとにかく成功を祈るのみ。アサインメントもシンプル。外捲るか中突っ切るかこっそり端っこのやつにパス投げるかの3択です。