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NFLとNCAA footballについてあれこれ

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2019-20年シーズン NFLチームの戦術を予想してみよう〜NFC北地区〜

 こんにちは。「戦略的に」という言葉。一体なんなんでしょう?会議なんかで頻繁に聞く言葉である一方、一体何が戦略的なのか?まったく便利な言葉です。これを言っとけば意味のある発言になると思っているのか?会議好きな人間はこの「戦略的に」という言葉を多用するきらいがあるのでは?なんだかんだよく聞くものの、それが一体なんなのか判然としないまま会議が終わることが多い気がします。もっと戦略的に会議しようよ。あっ。

 

 さて、本題は戦略ではなく戦術の話。英語ではschemeと言ったりします。NFLも新年度が始まろうとしており、各チームどのような戦術で来るのか楽しみな季節です。そこで、今回から各地区ごとにオフェンスとディフェンスがどのような戦術で新シーズンを迎えるのか予想してみようと思います。アシスタントコーチやポジションコーチを含めるととても時間がないので、HCとOC、DCの三役から考えていきます。このために筋トレ中、仕事の移動中、そして睡眠時間を削って調べものしてました。といっても、所詮は弱小大学での経験しかないわたしの話です。鼻ほじりながら見るくらいでちょうどいいでしょう。よほど暇な時に見てください。

 

グリーンベイ・パッカーズ

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マリオタはわしが育てた

オフェンス

 HCがマット・ラフルアー(Matt Lafleur)に変わりました。OCはナサニエルハケット(Nathaniel Hackett)ですが、実際にプレイコールを担当するのはラフルアーだと思います。ハケットの役割は上から見てどのプレイが通りそうかを見極めることになるでしょう。ラフルアーはマット・ライアン(Matt Ryan)やジャレッド・ゴフ(Jared Goff)を育成した名コーチです。彼はマイク・シャナハン(Mike Shanahan)とカイル・シャナハン(Kyle Shanahan)親子、ゲイリー・キュービアック(Gary Kubiak)に師事した過去があります。どちらもポケットから飛び出し、ブートレッグの状態などからパスを投げるプレイアクションの名手です。つまり、ラフルアーも同様のプレイスタイルで来ることが予想されます。さらにキュービアックに師事したことからランゲームも重要度を増すはず。キュービアックが率いたてきさんはエアリアン・フォスター(Arian Foster)のゾーンでブイブイいわせていました。それなりにRBにも活躍してもらわなければなりません。でなければ、得意とするプレイアクションが効かなくなります。アーロン・ロジャース(Aaron Rodgers)の動きながらのパスはNFLでも随一のコントロールで、レシーバーが空かずとも自らファーストダウンを更新する脚力を持ち合わせています。

ディフェンス

 ラフルアーがオフェンス畑なので、ディフェンスのプレイコールはDCマイク・ペティーン(Mike Pettine)が担当します。ペティーンは常にレックス・ライアン(Rex Ryan)の右腕として活躍しました。となると答えはひとつ、3-4をベースとしたヘビーなブリッツパッケージです。その証拠に彼の指揮下にあったビルズとジェッツは3-4ベースでした。かつてパッカーズのDCだったドム・ケイパース(Dom Capers)のディフェンスに少し近いかもしれません。フロント7にはパワーが必要となり、DBはマンカバーの実力が問われます。フロントはランでもパスでも特にインテリアラインマンが重要です。ビルズではカイル・ウィリアムス(Kyle Williams)とマーセル・ダレアス(Marcell Dareus)、ジェッツではモハメド・ウィルカーソン(Muhammad Wilkerson)とデイモン・ハリソン(Damon Harrison)がいたことが何よりの証拠です。マンカバーの実力が求められ、CBジャイア・アレクサンダー(Jaire Alexander)らは腕の見せどころです。そして、ペティーンはフィールドでベストの選手を使うという信念があります。非常にシンプルですが、求められる能力は高くなります。

 

シカゴ・ベアーズ

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シンプルにいい笑顔

オフェンス

 ことし大きく変わることはないでしょう。HCマット・ナギー(Matt Nagy)はアンディ・リード(Andy Reid)のコーチングツリーに連なる人物です。つまり、ウェストコーストオフェンスを主軸に展開します。しかし、ベアーズは優秀なRBがいることからランもそこそこ使います。昨年のフィーチャーバックはジョーダン・ハワード(Jordan Howard)でしたが、イーグルスに飛び立ってしまいました。ことしは新人のデイビット・モンゴメリー(David Montgomery)がその役目を担います。ナギーがリードの弟子であるため、チーフスとベアーズはよく似たオフェンスです。ウェストコーストオフェンスもそうですが、スピードスターを生かした縦のパスやリバースで捲ってしまうプレイも共通点です。チーフスはタイリーク・ヒル(Tyreek Hill)、ベアーズはテイラー・ゲイブリエル(Taylor Gabriel)とタリク・コーエン(Tarik Cohen)がそのキーマンです。

ディフェンス

 ナギーはオフェンス専門です。パッカーズ同様ディフェンスは新任のDCであるチャック・パガーノ(Chuck Pagano)が率います。昨年、同じポジションを務めていたビック・ファンジオ(Vic Fangio)がブロンコスのHCに就任したので、パガーノが後を引き継ぐ形になります。といってもドラスティックな変化はありません。何を隠そうパガーノとファンジオはレイブンズ時代の同僚だからです。3-4ベースのニッケルディフェンスが基本です。パガーノの特徴と言えば、アグレッシブなディフェンスです。ブリッツの多用やマンカバーの多用が予想されます。この点は血に飢えたカリル・マック(Khalil Mack)やレオナード・フロイド(Leonard Floyd)、アキーム・ヒックス(Akiem Hicks)らにとっては朗報でしょう。DBは奮起しなければなりません。さらにパガーノはダイムディフェンスを多く使うことになりそうです。6人目のDBをエッジやLB扱いで起用するため、DBにはフィジカルも求められます。

 

ミネソタ・バイキングス

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野比!廊下に立っとれ!

オフェンス

 HCマイク・ジマー(Mike Zimmer)はディフェンス出身のコーチであるため、プレイコールはOCケビン・ステファンスキー(Kevin Stefanski)が担当します。彼とアシスタントHCのゲイリー・キュービアックによって来シーズンはランに重きを置くオフェンスに変わるはず。幸いダルビン・クック(Dalvin Cook)が珍しく健康なので、役者は揃っています。ランとプレイアクションをメインにフィジカルなオフェンスを展開するでしょう。プラスして昨年からの継続でウェストコーストのパスも予想されます。レシーバー陣は非常に豪華なメンツなので、クイックヒットのウェストコーストは驚異的なものになると思われます。昨シーズンまでのワイドアウトとTE頼みにはならず、バランス良く攻めることで強力なレシーバー陣も成績を伸ばせるはず。

ディフェンス

 ディフェンスはジマーのフィロソフィーであるスピーディな4-3ディフェンスが主軸です。このディフェンスで特に重要なのはLBです。エリック・ケンドリックス(Eric Kendricks)とアンソニー・バー(Anthony Barr)はラン、パスカバー、パスラッシュとすべてにおいてハイレベルなプレイが求められます。LBを自由に動かすためにDLはパワフルでスクリメージラインを支配できるメンツが必要です。数少ないカバー4を主体としたゾーンカバーがメインです。しかし、ブリッツパッケージも豊富で、マンカバーにも対応可能です。

 

デトロイト・ライオンズ

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寒いからヒゲ伸ばした

オフェンス

 オフェンスはOCダレル・ベベル(Darrell Bevell)の担当です。ベベルという男はかつてピート・キャロル(Pete Caroll)の下で働いていました。しかし、どのようなオフェンスで来るか予想しにくい男です。彼の過去の発言からするとバランスアタックが中心に組み立てられると思います。要はランで細々稼ぎ、パスはデカイのを狙うタイプです。キャロルの下で働いていたことからもアグレッシブでギャンブル性の高いパスやトリックプレイは多く持っているはず。しかし、ランニングゲームに関しては保守的な考え方を持っています。シーホークス時代、マーション・リンチ(Marshawn Lynch)がいたにもかかわらず、そこまでボールを集中させませんでした。さらに彼1人だけにボールを持たすことはありませんでした。RBは2人体制を敷いてくるでしょう。

ディフェンス

 HCマット・パトリシア(Matt Patricia)は前ペイトリオッツのDCです。そして、いまの強固なペイトリオッツディフェンスは彼の時代に築いたものです。彼は2004年からペイトリオッツ一筋でプロフットボールでのキャリアはずっとビル・ベリチック(Bill Belichick)とともにありました。つまり、過去のペイトリオッツディフェンスを見れば、ライオンズディフェンスもわかるというわけです。ペイトリオッツが強豪たる所以のひとつにディフェンスの決まった体型がないということが挙げられます。通常、4-3であったり3-4なりチームによってメインの体型があります。ところが、パトリシアのディフェンスにはそれがありません。相手や場面によって自在に体型を変えます。それゆえ、選手には多才さが必要です。OLBもDEもできる、DEもDTもできる、そんな選手が必要なのです。

 

※ウェストコーストオフェンスとは、平たく言えば短いパスをランの代わりに使い、テンポ良く進めるオフェンスのこと。

 

まとめ

 めっちゃ時間かかりました。あくまで予想なので、大ハズレの可能性も大ありです。という保険をかけておきます。ひとつみなさんにもお伝えしておくと、基本理念はどのコーチングツリーに連なっているかで分かります。アンディ・リードの弟子であればウェストコーストオフェンス、レックス・ライアンの弟子であれば3-4でブリッツを多用するなど。もちろん、まったく同じということではありませんが、幹の部分は同じです。

 プレシーズンも近づき、いよいよフットボールの日々が始まろうとしています。仕事、筋トレ、映画だけの張りのない生活にもようやく光が差し込みます。もうしばらく鼻息を荒くして待ちましょう。