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スカウティングコンバイン始まる

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コンバインの名物コーナー"Run Rich Run"


スカウティングコンバインって?

 近年、注目度が高まるスカウティングコンバイン。今年もいよいよ始まります。そもそもスカウティングコンバインとは何なのか、何をやるのか、近年の傾向を説明していきます。

 

 スカウティングコンバインとはドラフト有望選手を一堂に集め、各チームのスカウトやコーチが選手の性格や能力を把握するために始まりました。現在の形式になったのは1985年。それまではチームごとに選手を招待し、能力を見極めていました。開催地はほぼずっとコルツの本拠地であるインディアナポリスです。

 コンバインで実施する項目は

ベンチプレス 225lbs(102kg)

40ヤード走

3コーンドリル

20ヤードと60ヤードのシャトルラン

垂直跳び

立ち幅跳び

ポジションドリル

などがあります。あまり知られていませんが面接による性格判断と知能テストもあります。下は少し古いですが、2017年のハイライト動画。

www.youtube.com

 

近年の傾向

 04年にテレビ放送が始まるまでコンバインは非公開でした。しかし、テレビ放送が始まるとビジネス色が強まっていきます。本来の目的である選手の能力評価からエンターテイメントに傾倒しているのが現状です。フットボールはオフシーズンが長く、その間にファンを離さないよう必死です。その一例がコンバインで、過去のデータと比較したり、催し物いっぱいで確かに面白い一面はあります。

 

 また、コンバインの能力評価が高くても試合で活躍できるかは別問題です。アル・デービスオーナーが存命の頃のレイダースは40ヤードのタイムが良いスキルポジションの選手を獲得することが多かったのですが、シーズンで活躍した選手はいません。事実、選手の中にはコンバインのために陸上部のコーチから40ヤード走の指導を受けることもあります。単に直線を走るだけという行為はフットボールにはありません。しかし、コンバインの種目である以上練習しなければいけないのです。

 

 これらの問題は度々コーチの間でも話に上がっており、ペイトリオッツビル・ベリチックHCは試合の映像の方が重要とみているようです。私自身もそう思いますが、特に重要なのは素行だと考えています。大学で優秀でもプロで活躍できない選手は、練習熱心でない選手が多いように感じます。

 

 自分の身体能力に頼り切った選手は基礎的な能力が足りず、プロのレベルについていけない選手が過去、山のようにいました。元レイダースのジャマーカス・ラッセルがその代表です。彼はルイジアナ州立大学(LSU)で全米王座に輝くとともに、膝立ちで60ヤード投げるという恐ろしい強肩を引っさげレイダースに2008年のドラフト全体1位指名されました。しかし、怠け者の性格が災いしてその後は鳴かず飛ばず。そのキャリアを2011年に終えました。

 

今年の注目選手

 ネガティブな話が続きましたが、面白いイベントであるのも事実です。最後は独断と偏見で選んだ注目選手を紹介します。

 

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カイラー・マーレー

 おそらく、ことし1番注目されている選手では?名門オクラホマ大学でプレーし、メジャーリーグ のアスレチックスに18年ドラフトで指名され、契約済みです。しかし、彼はNFLとの二刀流に挑戦します。投げる走るのハイブリッドQBでオクラホマプレーオフに導きました。プレーオフでは残念ながらアラバマ大学に敗れましたがハイズマン賞を獲得するなど輝かしいキャリアを送りました。懸念は身体が小さいこと。身長が178センチしかないことは悩みのタネです。NFLは巨大なOLに守られながら視界を確保することとケガのリスクから190センチ前後のQBばかりです。オクラホマのOLも例年巨漢を揃えていますが、果たしてNFLでも通用するか?もう一つの心配は走るQBということです。走れば走るほどケガをする可能性は高まり、保守的なコーチはこのタイプの選手を嫌います。

 

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D.K.メトカーフ

 ミシシッピ大学の大型レシーバーは、デカい的が欲しいチームにピッタリ。ミシシッピは元々WRに優秀な選手が多く、自身たちのことをWWEで活躍したグループにあやかり、「nWo(nasty Wide out)」と呼んでいます。その中でもメトカーフは193センチ、105キロの巨体を駆使することで相手DBに競り勝ちます。ことしの成績こそ振るわなかったものの、これはQBがショボいことが原因でキャッチ力は確かです。

 

 

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クイネン・ウィリアムス

 アラバマの獣。オールアメリカ級の選手が揃うアラバマでも一際存在感を放つDTです。彼の圧倒的なフィジカルでスクリメージラインを支配することで相手OLは全く仕事ができません。アラバマ出身の選手はプロ入り後も活躍することが多いので、期待大です。また、近年はDTのパスラッシュが重要だと考えているので、彼やクレムソンのクリスチャン・ウィルキンスのような選手はパスラッシュに難があるチームにとってはうってつけです。

 

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デビン・ブッシュ

 ことしのドラフトで1、2を争うLB。ランもパスもよく守り、フィールドの端から端までカバーする正に最近のLBという感じ。最近のLBは小柄な選手が増えており、ひと昔前よりずいぶん細くなった印象があります。御多分に洩れず彼も180センチと小柄です。さすがに小さすぎる感も否めませんが、個人的に期待しています。

 

 本音を言えば、個人的に注目している選手はもっといるのですが、アラバマばかりになってしまうのでここらへんでストップ。コンバインでは毎年のように新たなスターが誕生するので、コンバインに人生がかかっていると言っても過言ではありません。批判はあろうが、コンバインにはそれだけの価値があるのです。